2013年8月26日月曜日

明海大学外国語学部英米語学科で英語を学ぶということ

8月8日に明海大学で英米語学科のOne Day Seminarが開催されました。明海大学入学を考えている高校生を対象にした企画です。小林裕子さんが全体企画の統括をされ、午後にはバスで銀座、皇居、東京駅、浅草、スカイツリーなどを巡りながら、高校生が(原稿は小林さんが用意したものですが)交替で場所場所の案内を英語でするという、ちょっと変わった試みがありました。

わたくしはいわばその前座で、30分をいただき、「英語と日本語を比べてみると」というミニ講義を担当しました。その概要はつぎのようなものです。

この講義で、みなさんに伝えたいこと:
1.ことばは人間だけに与えられた宝物である
2.その宝物を活かすためには、ことばについてもっと考えなくてはいけない
3.英語を学ぶための効果的な方法は日本語の力を利用することである

4.明海大学英米語学科で英語を学ぶことにどんな意味があるのかを考えてもらいたい


この書き込みでは4について簡単にまとめておきたいと思います。

みなさんの中には明海の英米語学科に入るのはTOEICのスコアを少しでも上げたいからという人も少なくないでしょう。でも、そうであるなら、ほかにもいろいろな学校や大学があります。スコアを上げるためのさまざまな方法を伝授してくれるところもあります。でも、ほんとうのところはこうじゃないでしょうか。みなさんは英語の力をつけたいと思っている。だったら、そうしましょう。英語の力がつけば、結果として、TOEICのスコアも上がります。

英米語学科に入ると、英語がどんなことばであるかをいろいろな角度から探る旅にでることになります。発音、語法(単語の使い方)、文法、文法の活用の仕方などが最初の訪問地で、そこでいままで知らなかった英語の姿を垣間見ることになります。

そこから先は、みなさんが関心を持っている場所を自分で選んで訪ねます。英語の歴史、現代社会における英語の役割、異文化コミュニケーション、英語文学、翻訳・通訳などなど。

英語を母語とする先生がたもたくさんいます。ESS(English Speaking Salon)といって、英語でいろいろな話題について語れるサロンも常設されています。また、英語圏への留学制度も充実しています。

でも、これだけだったら、明海の英米語学科以外のところでも同じような体験ができるかもしれません。ご存知でしょうが、明海の英米は外国語学部の中にあり、英米以外に、日本語学科と中国語学科があります。外国語学科の中に日本語学科があるというのは意外に感じられるかもしれませんが、日本語学科は外国人に対する日本語教育をその教育・研究の中核の一つとしていると言えば、納得してもらえるのではないでしょうか。

こういう環境の中に置かれた英米語学科で学ぶということは単に英語や英語文化だけでなく、日本語や日本文化、中国語や中国文化にも触れる機会がたくさんあるということを意味します。

最近、「グローバル化」ということをよく耳にします。でも、多くの場合、その意味するところは、「英語化」に過ぎません。もちろん、英語を知り、英語を使うことはグローバル化が進む現代社会の中で重要な意味を持ちますが、それだけではほんとうの意味でのグローバル化には対処できません。母語である日本語や母文化である日本文化についてもきちんと理解し、日本と長い交流の歴史を持つ中国のことばや文化についても認識を深める。そうした努力と併せて、英語を学ぶことにより、自分のやるべきことがはっきりと見えてくるのです。

いま述べた点を鮮明に反映しているのが、今度、英米語学科に新設されるグローバル・スタディズ専攻(GSM、Global Studies Major)です。GSMでは英語に加え、中国語も必修になっています。

明海の英米語学科で英語を学ぶ意義について考えてきました。最後に1つ重要なことを付け加えておきたいと思います。それは好奇心を大切にし、なにごとにも積極的に行動して欲しいということです。どんな立派な環境があっても、それを活用しなくては意味がありません。

教員との交流もその1つです。まだ高校生だからとか、まだ新入生だからと遠慮する必要はありません。もしわたくしと話してみたいという人がいたら、メールをください。必ず、返事をいたします。











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