2013年4月3日水曜日

英米語学科新1年生のみなさん

さきほどオリエンテーションでお会いした大津由紀雄です。みなさんとは英語学概論の時間にお会いする機会があるかもしれません。

「英語学」とは、英語という言語の性質をさまざまな角度から研究する科学を指します。≪なーんだ、英文法のことか≫と思われるかもしれませんが、それだけではありません。英文法は主として英語の仕組みと働きを考える分野ですが、英語学はそれだけでなく、英語が他の言語(たとえば、日本語)の仕組みや働きとどのような関係を持っているのかとか、英語の歴史とか、英語が現代社会の中でどのような位置づけをされているのかとか、英語を母語として身につけた人(英語の話者、native speaker of English)はどのやって英語を身につけたのかとか、さまざまな視点から探っていこうとする知的試みです。

そんなことを知ってなんの役に立つのかと思う人にはつぎのことをお伝えしておきましょう。英語の性質をきちんと理解しておくことは英語の運用能力をきちんと伸ばすことにつながるのです。「きちんと」という部分が重要です。いまは、TOEFL、TOEIC、英検など英語力を測るさまざまなテストが開発されています。そうしたテストのスコアや合格級を少しでも高めようと努力することは大切なことですが、スコアや合格級を高めるだけにする努力はほんとうの意味での英語運用能力につながらないことも少なくありません。わたくしの周りにもTOEICで700や800といった高スコアをとりながら、英語を使って自分を表現し、他の人の考えを理解できない人が少なからずいます。

そんなことにならないように、ほんとうの意味での英語力の基礎をしっかりと固めておく必要があります。それが英語学で、そこへの誘いをするのが(わたくしの)英語学概論です。

受講生の皆さんにはたくさんの文献を読んでもらい、考えてもらい、議論してもらいます。そういった過程を経て、一人でも多くの皆さんに自信を持ってもらいたい。自分のあたまで考えることができる人になってもらいたい。そう考えています。

受講にあたっては約束を守ってもらいます。この下にある記事「大津ゼミを希望するみなさん」に書いてあることを参照してください。

では、来週、お会いしましょう。


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